6月 02

あれは小学校高学年か中学生の頃、家族で観光に行った時のことだ。

山に登った記憶がある。

もう20年も昔のことなので、記憶も薄れている。

母親に聞いてみたが、どこに行った時に登ったのか覚えていないという。

山に登ったことも、はっきりとは覚えていないようだった。

詳細(GARMIN Connect)

 

週末の天気予報が良くなく、楽しみにしていたテント泊の山行は延期することにした。

そこで、少し前から気になっていた山に行くことにした。

今年になってから購入した、車で行く山行のガイドブックに書いてあった那須岳である。

山腹までロープウェイで登り、砂礫で歩きにくい山肌。

頂上を一周するように歩く道。

少年の日の記憶に一致する情報だった。ここでほぼ間違いないと思っていた。

 

金曜の夜、仕事で少し遅くなり、車で出発したのは日付が変わって午前1時。

首都高速から東北道に入る。

気温は20度から北上するに連れ、10度辺りまで下がってゆく。

3時を過ぎるとこの季節では、早くも空が明るくなって来る。

夜空が東の地平線から少しずつ明るくなるのを久しぶりに見た。

東北道から見る空は広々としていた。

周辺の山々が黒い影になって現れて来る。

北西の方向に一際大きな山塊が見えて来る。那須岳だ。

高速道路を降りて、一般道の登りをその大きな影に向かって走ってゆく。

麓につく頃には、すっかり明るくなって、朝焼けに染まる空を見ながら、ロープウェイ山麓駅の駐車場に到着した。

ロープウェイが動き出す8時頃まで仮眠を取ることにした。

寝袋にくるまろうとしたところで、東の山の稜線上から、朝日が出て来た。

きれいな朝日を撮影してから、改めて寝袋に入った。

良い天気になりそうである。

 

8時すぎ、今回はちょっと楽してロープウェイで山頂の少し下まで登ってしまうことにする。

ロープウェイ山頂駅から茶臼岳の山頂までは歩いておよそ30分くらいだ。

軽装の観光客もたくんいる。

山頂はすり鉢状の火口になっていて、何箇所か火山の蒸気が噴出していた。

この茶臼岳は昔登った山とは違うようだった。

記憶ではもっと黒くて砂が多かったのだが、

茶臼岳はザレてはいるが岩もたくさんあり、どちらかというと白い。

ここだと思って来たのに残念だ。

山登りを続けていれば、いつかあの思い出の山がどこであるか分かるだろうか。

 

茶臼岳の火口をほぼ一周して、北のほうにある縦走路に入る。

陽射しが強く、半袖で歩きたいくらいだったが、風が冷たかった。

茶臼岳と朝日岳の鞍部にある峰の茶屋跡では、特に風が強く、

レインウェアを防風用に着てしまったくらいだ。

朝日岳への登りは高度感のある岩の道だ。

山頂まで往復する起点となる場所に、ザックをデポして頂上に駆け上がった。

先ほど登った茶臼岳が迫力のある姿を見せる。

朝日岳から三本槍岳への道は一転して、なだらかとなり、高山植物を間を縫って歩いてゆく。

辿り着いた三本槍岳はお昼時とあって、たくさんの登山者で賑わっていた。

みなさん笑顔でランチをとっている。

私は寝不足もあって若干疲れ気味であった。やっぱりテント泊に行きたかったなぁと思った。

 

下山後近くの日帰り温泉に行ってみたが営業していない様子。

看板の下半分が落ちてしまっていた。地震の影響だろうか。

iPhoneで検索してみると鹿の湯という昔ながらの温泉があるという。

せっかく那須まで来たのだからと、この鹿の湯に行ってみた。

もうすぐ受付終了の時間だったが、人がたくさんいた。

中に入ってみて驚いた。洗い場はなく、石鹸・シャンプーは使用禁止。

木の浴槽が41度から最奥の48度まで、温度別に八つあった。

http://motoyu-shikanoyu.com/onsen.htm

硫黄の匂いがたちこめている。

ちょうど一人分空いていたので、まず41度の浴槽に使ってみた。

いい湯だ。

次に43度へ。すこし熱くなった感じ。

一番奥には46度と48度の浴槽があり、まわりには常連客と思しき猛者たちがあぐらをかいて座っていた。

肌を真っ赤にしてたむろしている様はまるで映画に出てくる賭場の雰囲気だ。

この二つの浴槽に浸かっている者はいない。

入れるものなら入ってみんかい!とつわもの達が監視している雰囲気だ。

私は興味本位で46度に入ってみることにした。

足を入れてみる。熱い。でもオヤジ達が見ているのだ。ここで止める訳にはいかない。

腹までつかり、えいやと肩まで湯船に浸かってみた。

じーんと熱さがやってきた。これはちょっと尋常ではない。

たまらず数秒で湯船から飛び出した。負けた・・・。

背中にオヤジたちの冷たい視線を感じる。身の程知らずが・・・といった感じで。

48度なんかに入れるのだろうか。

一番右奥にあるその浴槽はちょっと近づきがたい一画なのである。

温泉界のヒマラヤといったところか。

そんなこともあったが、なかなか味わえない、良い湯だった。面白かった。

帰る間、ずっと硫黄の匂いで自分が焦げ臭かった。

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